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がんリスク 油断大敵 脂肪肝?!〜減量して脂肪肝を改善しよう〜
  • 2020/02/15
  • 内科の症状

脂肪肝



脂肪肝とは肝臓細胞に中性脂肪が蓄積してした結果、正常な肝細胞に脂肪滴が増えて肝臓全体が黄色っぽくなってしまう病気です。

肥満人口が増えるに伴って脂肪肝の人口も増えていきます。人間ドックのデータからも健診受診成人の30%ほどが脂肪肝になっていると推計されています。
 
かつては脂肪肝といえば「癌にもならないし、肝炎にもならないから安心して良い」と教わっていたのですが、ここ10年で脂肪肝は大きくイメージを変えてきました。
すなわち脂肪肝といえども油断することはできなくなってきたのです。

原因と症状

なぜ脂肪肝になるのか。


たくさん食べてたくさんお酒を飲んで運動しないと脂肪肝になります。
メタボリック症候群とほぼ同じものと言ってもよいでしょう。
脂肪肝になっても初期の間は特に何の症状も出ません。
痛くもないし、痒くもないし、だるくなることもありません。
お腹に脂肪が溜まって出てくるだけです。



 肝臓は症状が出いくいので「サイレントキラー」(沈黙の臓器)と呼ばれています。
症状がなくても密かに病気は進んでしまい、
症状が出たらかなり末期的状況だったという場合も時々あります。

末期に認められる症状は
● 食欲不振
● 全身倦怠感
● 吐き気
● 黄疸(体が黄色くなること)
● 腹水(お腹の中に水が溜まりパンパンに膨らんでくること)
● 吐血(食道静脈瘤からの出血)
などがあります。

アルコール性脂肪肝


お酒を飲んで脂肪肝になるとアルコール性脂肪肝と言います。
アルコールは肝臓に対して毒性が強いのでダメージも大きく、状態が悪くなるとアルコール性肝炎になり、さらに悪くなると肝硬変になります。最後には肝臓がんを発症する人もいます。
アルコール性肝障害を発症し得るエタノール摂取量は男性30g/日、女性20g/日以上です。(男性は缶ビールだと350ml×2本/日くらいです。)

油断厳禁!恐ろしい脂肪肝〜NASH〜


アルコールをあまり飲まないのに脂肪肝になる場合を非アルコール性脂肪性肝疾患と言います。NAFLD(ナッフルディー)と呼ばれています。


NAFLDは非アルコール性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)にわかれます。NAFL(ナッフル)、NASH(ナッシュ)と呼ばれています。

このアルコールに関連しない脂肪性肝疾患は以前は心配のない病気と考えられていました。NAFLDのうちNAFLは一般に病気が悪化しません。

ところがNASHの10〜20%は肝硬変になり、その中の年率2%が肝臓がんに進展すると判明してきました。

以前は肝臓がんといえばB型肝炎ウイルスかC型肝炎ウイルスが原因である場合がほとんどで、たまにアルコール性肝炎が見られていました。
最近では医療の進歩によりウイルス性肝炎が治るようになり、その結果ウイルス性肝がんを発症することが非常に少なくなっています。

だから、このアルコールに関連していなくて、ウイルスも関連しない肝臓がんが目立つようになってきたのかもしれません。

NASHを正確に診断するためには肝臓に針を刺して組織を取る肝生検をしなければなりません。侵襲性の強い検査であるので肝生検をするためには対象となる患者さんの絞り込みが必要です。血液検査による評価方法としてFIB-4やNFSなどが提唱されその有用性が報告されています。
 

 脂肪肝を見つける検査


脂肪肝が見つかる多くの場合は人間ドックや健診の血液検査で肝機能の異常を指摘されたときです。GOT、GPT、γGTPの数値のうち特にγGTPだけ高い時に脂肪肝と飲酒の影響を考えます。この3つとも高い時はウイルス性肝炎やアルコール性肝炎や脂肪肝や肝臓がんなど様々な疾患を考えます。


いずれにせよ肝臓の状態を調べるために
腹部エコー検査(腹部超音波検査)が必要です。
腹部超音波検査で肝臓と腎臓の画像を比べて肝臓の方が腎臓よりも白く見える時は脂肪肝と診断します。
ただし、腎臓の機能が落ちて腎不全になっている時には脂肪肝と同じように白っぽい画像になります。だから腎不全の時には脂肪肝はちょっと診断が難しくなります。
 
腹部CT 検査でも脂肪肝は診断できますが、放射線に被曝するので肝臓がんなどを鑑別する必要があるときにすべき検査と思います。ただし、内臓脂肪の量を計算するなど腹部エコーではできないことも腹部CT検査では可能です。
 
また、MRIによる脂肪化定量評価法が確立されその有用性が報告されています。肝生検に変わる最も精密な評価方法と考えられています。ただし測定可能な施設は現在のところ限られています。

脂肪肝のあなたがすぐに出来る生活改善

運動と食事での減量が最も効果があります。
運動をして炭水化物のエネルギー源を使いきると脂肪を燃焼するようになります。
最初に使われる脂肪は肝臓に蓄えられている脂肪なので、体重の3~5%減量出来ると脂肪肝はほぼ解消され、10%減量すると脂肪肝炎も解消すると言われています。
食事で減量する時も同じ仕組みで脂肪が燃焼されます。
 
食物では以下のいくつかの内容で脂肪肝に対する効果が認められています。
 

オメガ3脂肪酸はサバ、イワシ、サーモン、マグロなどに含まれる脂肪酸です。
多くの研究において脂肪肝に対する効果が期待されていますが、限定的な効果に限られるようです。結論として「イワシなどをたくさん取らなければ効果はない。」ということになりそうです。

ロトリガはオメガ3脂肪酸をたくさん含んでいる薬で、中性脂肪に対する保険適応はあります。しかし、残念ながら脂肪肝に対しての保険適応はありません。
 
コーヒーはNAFLDの発症を防ぐ効果を持っていて、肝硬変になるリスクを減らすと考えられています。(米国国民健康栄養調査による)
 

まとめ

脂肪肝は放置しておいて大丈夫なNAFLと放置すると危険なNASHが混在していて、確実に区別する方法は肝生検だけです。肝生検をすべきかを診断するためには定期的なエコーによる検査と肝機能の血液検査が重要です。


ただしNAFLもNASHも改善するためには、運動と食事療法が最も効果が高いので5%の減量を目指して頑張りましょう。

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